ITコンサルタントへの転職は未経験でも可能？仕事内容や選考対策も解説

ITコンサルタントへの転職を検討していて、未経験でも実際に転職できるのかお悩みではないでしょうか。

未経験からでもITコンサルタントを目指すことは可能です。今回は、ITコンサルタントへの転職を検討中の方に向けて、仕事内容や転職活動する上での選考対策について解説します。

ITコンサルタントへの転職に少しでも興味のある方は、本記事の内容を参考にしてください。

ITコンサルタントへの転職は未経験でも可能

未経験からITコンサルタントに転職できるの？と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。

結論からお伝えするとITコンサルタントへの未経験からの転職は可能です。

なぜなら未経験歓迎のITコンサルタントの求人は存在するからです。ITコンサルタントにもポテンシャル採用（未経験者の可能性を考慮した採用）があります。

ITコンサルティングファームが求める能力をしっかりアピールできれば、ITコンサルタントへの転職は十分可能です。

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、企業の経営や業務の改善をITを活用して支援する職業です。システムの立案から提案まで、IT関連の多岐にわたる分野を担当します。IT全般に関する幅広い知識とともに、論理的思考力やコミュニケーション能力が求められます。

ITエンジニアとは異なり、ITコンサルタントの主な役割はシステム開発よりも、ITを通じて企業の経営課題を解決することにあります。そのため経営的視点も必要な職業です。

次の章では、ITコンサルタントの仕事内容や平均年収についてご紹介します。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントの仕事内容としては、大きく分けて以下の3つがあります。

次の章では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

ヒアリング・分析

まずは顧客企業の経営者やIT担当者から、業務範囲・経営戦略・既存システム・業務フローなどの情報をヒアリングします。集めた情報を整理し分析することにより、IT分野で解決すべき課題を明らかにします。

業界特有の問題やトレンドを把握することで、顧客企業の抱える課題の特定がしやすくなります。このプロセスはITコンサルタントの仕事において重要なステップです。

提案

ITコンサルタントは、分析した結果をもとに企業の課題の解決策を提案します。この提案には、具体的な解決策・実施計画・期待できる成果・必要な資源や予算などが含まれています。

プロジェクトを成功させるためには、ただ提案するだけではなく、顧客から承認が必要です。課題の解決策を顧客が納得するように伝える能力が求められます。

マネジメント

提案が通れば、実際にプロジェクトを進行します。プロジェクトがうまく進むように、必要な人材集めから進捗管理などのマネジメント業務を行います。この業務では、プロジェクト全体を俯瞰する力が求められます。

ITコンサルタントの平均年収

ITコンサルタントの平均年収は660.4万円です。国税庁から発表された年代別の平均年収をと比較すると、20代の平均年収は316.5万円、30代は427.5万円、40代は487.5万円です。

ITコンサルタントは比較的年収が高い傾向にあります。

※参照：jobtag（日本版O-NET）厚生労働省
※参照：国税庁長官官房企画課　令和元年分民間給与実態統計調査－調査結果報告

ITコンサルタントの6つの種類

ITコンサルタントは専門分野によって、以下のように分類されています。

種類	主な役割
IT戦略コンサルタント	ITに関する顧客企業の問題を解決するために、ITを経営戦略の一部として組み込み、戦略立案や施策実行支援をする。
ERPコンサルタント	ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源を一元管理するERPパッケージの設計・導入・運用支援をする。
CRMコンサルタント	顧客情報を有効活用するCRMに観点をおき経営戦略をサポートする。 顧客戦略立案・チャネル最適化・業務プロセス再構築・セールス改革などをおこなう。
SCMコンサルタント	企業のサプライチェーンを最適化し、経営課題やコスト削減に導く。 SCM管理システムを提案・導入し運用支援をする。
RPAコンサルタント	顧客企業の業務の効率化や従業員の負担減を目指し、RPAソフトウエアの提案・導入し運用支援をする。
AIコンサルタント	AI（人工知能）を活用に関するアドバイスや提案を行う。 最先端のAIやITの知識を活用し、効果的なAI戦略を策定する。

【未経験からITコンサルタントに転職対策】アピールすべきポイント5選

未経験からITコンサルタントに転職を成功させるためにアピールすべきポイントを5つご紹介します。

次の章では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

論理的思考力

ITコンサルタントは顧客が抱える課題を特定し、解決策を提示し、顧客を納得させる必要があります。そのため論理的思考力が必要となります。論理的思考力とは、物事を正確に把握し、矛盾や飛躍のない筋道を立てる力のことです。

論理的思考力を養う方法として、「なぜその結論になったのか？」「なぜそう思ったのか？」など日頃から理由の深掘りをしておくといいでしょう。

コミュニケーション力

基本どの職業にも求められることですが、コミュニケーション力は、ITコンサルタントに転職する上で重要なポイントです。なぜなら顧客をはじめとした多くの人と連携することが多いからです。

聞く力と伝える力どちらも求められます。面接官の質問に対し、質問の意図を正しく捉えて、結論ファーストでわかりやすく伝えることが大切です。

体力や精神力

顧客の理不尽な要求に応えるといった、ときには体力や精神的に負荷がかかることがあります。そのためITコンサルタントには、体力や精神力が求められます。

これまでご自身の経験で、困難なことに対して乗り越えたエピソードがあれば、積極的に伝えるようにしましょう。

ITに関する知識や資格

ITコンサルタントは、ITに関する幅広い知識が求められます。

今までSEやプログラマーとしての経験がある場合は、ITの知識をアピールしましょう。

IT系に関わった経験がなくても、IT資格の保持していることや日頃からITの最新技術や情報をキャッチしていることなど、興味関心を伝えるのも有効です。

語学力

語学力をアピールするのがおすすめです。なぜなら海外進出し、グローバル案件を抱えているコンサルティングファームがあるからです。

社内の公用語が英語である企業も存在します。TOEICスコアや英検などの資格がある際は、採用担当者に積極的にアピールしましょう。

ITコンサルタントに役立つ資格3選

ITコンサルタントに役立つ資格を3つご紹介します。

次の章では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

ITストラテジスト

ITストラテジスト試験は、IPAが提供する情報処理技術者試験のひとつです。ITコンサルタントの育成に焦点を当てています。この試験では、経営戦略に基づくIT戦略の策定、ITを活用した事業革新や業務改革、製品やサービス開発の企画・推進などの分野を学べます。

合格率は約15%と高難易度の資格です。情報処理やITに関する基礎知識だけでなく、IT分野での深い理解と応用能力が求められます。

※参照：「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表（平成21年度春期以降）」（IPA 情報処理推進機構）

中小企業診断士

中小企業診断士は、日本で唯一の経営コンサルタント向けの国家資格であり、「日本版MBA」とも言われています。

ITに関する要素は含まれていませんが、財務・労務・事務・生産などの経営に関する幅広い知識を習得できるので、ITコンサルタントとして活躍する上で有効です。

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施する情報処理技術試験の一部です。特にプロジェクトマネジメントに焦点を当てた資格です。

日本のITコンサルタントの多くが目指す試験とも言われています。プロジェクト全体を考えて、提案や進行管理できるスキルがあることの証明になります。勉強していく上でITコンサルタントに求められる提案力やマネジメント力を鍛えられます。

未経験からITコンサルタントへの転職におすすめの転職エージェント

未経験からITコンサルタントへの転職におすすめの転職エージェントを3つご紹介します。

次の章では、それぞれの内容について詳しく解説していきます。

マイナビIT AGENT

マイナビIT AGENTは、IT・Webエンジニア向けの転職エージェントです。

エンジニアやプログラマーなど職種別の求人特集があり、有益な情報収集も可能です。

在宅勤務や年収アップができる求人も豊富であり、働きやすい環境を探す方にも合っています。

概要
サービス名	マイナビITエージェント
運営会社	株式会社マイナビ
公開求人数	約1万8,250件
非公開求人数	5,862件
対応地域	全国

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、ITエンジニア・Webデザイナーに特化した転職エージェントです。

レバテックキャリアの強みは、IT・Web領域の求人数が業界トップクラスであることです。

求人紹介から面接対策など、充実の転職支援をキャリアアドバイザーから無料で受けられます。

概要
サービス名	レバテックキャリア
運営会社	レバテック株式会社
公開求人数	約2万2,000件以上
非公開求人数	非公開
対応地域	関東・関西（大阪）・東海（名古屋）・九州（福岡）を中心に全国

Geekly

ギークリーは、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。

ギークリーにおける独自の特徴は、アドバイザー専門性とサポートの質が良いという点です。

IT領域に知見のあるアドバイザーが求人紹介から選考対策までワンストップで支援してくれます。

概要
サービス名	Geekly（ギークリー）
運営会社	株式会社Geekly
公開求人数	約3万件
非公開求人数	非公開
対応地域	首都圏がメイン

ウィルオブテック

ウィルオブテックは、ITエンジニアに特化した転職エージェントです。

面談内容をもとに、理想のキャリアを実現するための方法をエージェントが提案してくれます。

求職者の長期的なキャリアを見越した転職活動をおこなえるという点が大きな魅力といえます。

概要
サービス名	ウィルオブテック
運営会社	株式会社ウィルオブ・ワーク
公開求人数	3,723件
非公開求人数	非公開
対応地域	東京・名古屋・大阪・福岡など全国／海外

リクルートダイレクトスカウト

リクルートダイレクトスカウトの強みは、年収800～2,000万円の求人が多いことです。

当サービス利用者における転職後の平均年収は925万円以上と非常に高水準といえます。

リクルート社が運営しているサービスであるため、安心して利用できるのもメリットです。

概要
サービス名	リクルートダイレクトスカウト
運営会社	株式会社リクルート
公開求人数	約20万件
非公開求人数	非公開
対応地域	全国

ビズリーチ

ビズリーチは、ハイクラス転職に特化した転職エージェントです。

ビズリーチには、保有求人の約33%が年収1,000万円以上という強みがあります。

ITコンサルへ転職して高年収を実現させたい方におすすめの転職エージェントです。

概要
サービス	ビズリーチ
運営会社	株式会社ビズリーチ
公開求人数	106,511件
非公開求人数	非公開
対応地域	東京、名古屋、大阪、福岡など全国／海外
公式サイト	https://www.bizreach.jp/

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、トップクラスの取り扱い求人数を誇る転職エージェントです。

業界トップクラスのリクルート社が運営母体であるため、サービスへの信頼性が高いのが強みです。

優秀な転職エージェントも揃っており、実績に基づいた転職ノウハウをレクチャーしてもらえます。

概要
サービス	ビズリーチ
運営会社	株式会社ビズリーチ
公開求人数	106,511件
非公開求人数	非公開
対応地域	東京、名古屋、大阪、福岡など全国／海外
公式サイト	https://www.bizreach.jp/

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、20代に強い転職エージェントです。

運営元が業界最大手のマイナビ社であるため、安心感が高いサービスといえます。

転職活動に役立つセミナーも定期的に開催しており、有益な情報を受け取れます。

概要
サービス名	マイナビエージェント
運営会社	株式会社マイナビ
公開求人数	70,383件
非公開求人数	14,971件
対応地域	東京、名古屋、大阪、福岡など全国／海外
公式サイト	https://mynavi-agent.jp/

doda

dodaは、国内トップクラスの求人数を誇る転職エージェントです。

様々な業種の求人を取り扱っており、IT関連の求人も豊富に取り扱っています。

dodaは認知度が高い大手サービストあるため、安心して利用できる転職エージェントです。

概要
サービス名	doda
運営会社	パーソルキャリア株式会社
公開求人数	239,252件
非公開求人数	38,315件
対応地域	東京・名古屋・大阪・福岡など全国

type転職エージェントハイクラス

type転職エージェントハイクラスは、管理職やエグゼブティブ層に特化した転職エージェントです。ハイクラス求人の取り扱いは首都圏だけで1万件以上（※1）と多く、年収800万～1,500万円の求人も多数保有されています。

サービスの中でも、特に面談に力を入れており、専任のキャリアアドバイザーが求職者の現状と希望を丁寧にヒアリングしたうえで、キャリアパスのアドバイスや最適な求人の紹介をしてくれます。

一人のアドバイザーが求職者支援と企業の情報収集の両面を担当しているため、スピーディーで的確な情報提供に期待できるでしょう。

（※1）type転職エージェントハイクラスの公式ホームページより

概要
サービス名	type転職エージェントハイクラス
運営会社	株式会社キャリアデザインセンター
公開求人数	10,259件
非公開求人数	18,487件
対応地域	東京、神奈川、千葉、埼玉を中心に全国／海外

未経験からITコンサルタントへの転職でよくある質問

未経験からITコンサルタントへの転職でよくある質問をまとめました。

必要な資格やスキルはある？

ITコンサルタントになるために必須の資格やスキルはありません。

ITストラテジストや中小企業診断士などの資格は、ITコンサルタントの業務に役立ちますが、資格を持っていなくても活躍しているITコンサルタントはいます。

ITコンサルタントとIT​​エンジニア(SE)の違いは？

ITコンサルタントはITエンジニア(SE)よりも上流工程を担当します。

ITコンサルタントは解決策を考え、SEはITコンサルタントが考えた解決策を実際に実行・開発をおこないます。

ITコンサルタントに向いている人は？

課題解決した際に達成感を感じる方や知的好奇心が高い方が向いています。また長時間にわたる作業や出張が発生することも多いため、体力がある人が最適です。

まとめ

本記事ではITコンサルタントに転職を検討中の方に向けて、仕事内容や転職活動における選考対策について解説しました。

採用担当者にITコンサルタントの適性を認められれば、未経験でもITコンサルタントへの転職は可能です。

本記事で紹介した、選考でアピールすべきポイントやおすすめの転職エージェントを活用して、ITコンサルタントへの転職を成功させてください。